
氷のリースというものがあるのを知りました。
今年の八ヶ岳南麓は、今のところまだ雪がありません。
そのため夫は毎日自転車で通勤しています。
お正月休み明けのことでした。
打ち合わせの予定がありオフィスに行くと、夫から「これ見て」とスマートフォンの写真を見せられました。
近くの清泉寮まで足を延ばしたら、庭の木などにかけてあったというのです。
氷でできたリースで、初めて見るものでしたが、とても美しく素敵でした。
けれども最初は冷凍庫で作るのだと思い、家の冷凍庫は狭く今はものがいっぱい入って

いるから、業務用の冷凍庫じゃないとできないと思いました。
実際のリースを見た夫は、屋外にかけてあったので状況を理解していて、「こんなものができるから、寒さも楽しいね」とうれしそうに言います。
そこでようやく私も自分たちの住んでいるところが、時には冷凍庫になることを了解しました。
そのころ日によっては、早朝や深夜はマイナス7・8度の日もありました。
外に水を置いておけば、氷になるのです。

「ケーキの型を使えば、リースができるわ」と夫に提案し、その日の夜早速作ってみました。
年末に買ったオレンジ色のカーネーションがまだ元気できれいだったので、その花とバラの葉っぱを入れて作ることにしました。
最初から水を沢山入れると花や葉っぱが浮いてしまうので、水は少しにして、凍ってから、次の水を入れるということをして凍らせました。
作り方を習ったわけではなく、多分こうだろうという全くの自己流です。

翌朝見ると、凍っているので、喜んで型から外しました。
ところが、一見凍っているように見えましたが、中心部はまだ水の状態で水が流れてきて、最初の作品は失敗でした。
気を取り直し、すぐに再度挑戦です。
気温にも注意し、簡単にできると思わず、しっかり凍っていることを確認しました。
二度目はうまくできたので、庭の木にかけてみました。
冬枯れの殺風景な風景の中、パッと花が咲いたようなアクセントになり、人の手で作られた温かみが感じられました。

成功したので、今度はオフィスに飾るのを作ろうと、二人で三個のリースを作りました。
オフィス入り口に楢科の木があり、ちょうどリースが掛けられるような枝があります。
そこを想定し、大きな植木鉢の皿を利用して作ることにしました。
家には私の誕生日にいただいたお花などがあり、少し萎れたくらいでも凍らせるとピンとなるので、それらや庭のサワラの葉っぱなどを使って作りました。
夫は、みかんの皮を型で抜いて、紫のラナンキュラスの花びらと共にデザインにも凝って作りました。
家からオフィスまでは車で10分足らずなので、皆さんの出勤前にと思い、7時ころに掛けに行きました。
「誰の仕業か?」と少し話題になりましたが、夫が「氷のリースをかけました」と発表し、一件落着。
「きれいです」「素敵です」という声もたくさん聞かれ、寒い地方の方にも伝わりました。
寒さも捨てたものではないと、この時期にしかできないことをまた一つ発見し、楽しんでいます。
最近のコメント