北の宿から
夕食の後片付けをしながら、いつもNHKのニュースを見るのですが、平日だと続けて「ゲゲゲの女房」が始まります。
日曜日の今日は、「うたの道・都はるみ 北の宿から」が始まりました。食器を戸棚にしまいながら、見ていました。
16歳でデビューして、「あんこ椿は恋の花」が大ヒットして、スターの道をまっしぐら。数々のヒット曲を出していた27歳の時、当時流行していて好きだった、南こうせつの「神田川」のような歌や、女性の気持を歌いたいと思ったそうです。
そこで、阿久悠と小林亜星の作詞、作曲で、作ってもらったのが、「北の宿から」だったそうです。
あなた 変わりは ないですか 日毎 寒さが募ります 着てはもらえぬセーターを 寒さこらえて 編んでます
こんな歌詞が続きます。デビュー曲からずっと、待つ女、耐える女、尽くす女が歌われています。
どちらかといえば、悲恋で幸薄い女です。人が求めている幸せとは少し離れたところにいる人です。なのに大ヒット。
8時になったので「おしまい」と夫はテレビを消しました。
そのあと私は考えました。着てはもらえないセーターを、寒さをこらえて編んでくれる、そんな女性は、現実にはあまりいそうもありません。
女性の方も、それほどに尽くしても悔いの残らない男性にめぐり逢えたらどんなにいいだろうかという、願望が、この歌の中では見事に表現されているからなのかもしれません。
無償の愛、無我の愛を求めているのが、人間の深い心ですが、でもこの歌は、執着の愛の表現でもあります。
それらをごちゃまぜにして、人は夢を見るのかもしれません。
「北の宿から」は私にこんなことを思わせました。
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