にぐるま ひいて
子供が小さかったころは、毎日絵本の読み聞かせをしていました。
絵本は大人が読んでも楽しく、読み聞かせは豊かな時間を与えてくれました。
今では絵本を読むことがほとんどなくなりましたが、時々新聞の絵本の紹介欄を見て、買いたいと思うことがあります。
切り抜きを持って書店に行くと、案外ないことが多くて、がっかりした経験が何度かあります。
贈っていただいた本を読んで、絵本の素直な世界に癒されました。
この絵本は、19世紀初めのアメリカ、ニューイングランドが舞台です。
10月、父さんは荷車に一年間に家族みんながつくり、そだ
てたものを何もかも積み込みました。
羊の毛、羊の毛で編んだショール、母さんがつむいだ糸で、娘が編んだ手袋、みんなで作ったろうそく、亜麻から育てて仕上げたリンネル、屋根板の束、息子が作った白樺のほうき、ジャガイモ、リンゴ、はちみつとはちみつの巣、カブ、キャベツ、メープルシュガー、ガチョウの羽、などを荷車に積んで、父さんは10日がかりで、ようやくポーツマスの市場につきます。
父さんは市場で運んできたものをすべて売り、最後は荷車も、牛も売ります。
ポケットがお金でいっぱいになり、ポーツマスの町で、家族それぞれに必要なものを買い、最後にみんなのお土産としてハッカキャンディーを買います。
買った荷物を下げて、また長い道のりを家まで帰ります。
冬の間は家の中で、春からの仕事のための準備をします。
そして雪が解けだしたころ、メープルシロップ作りが始まり、種を植えてまた次の一年が始まります。
この話は、「大草原の小さな家」のローラ一家の暮らしを思い出しました。
絵本を読んでいるとき、お父さんが何日もかけて町に行く間や、市場で持ってきたものを売る時、悪い人に何か取られたり、だまされたりするのではないかと、そんなことを予想しながら、読み進みましたが、何も悪いことは起こりません。
私自身のものの見方が、随分大人の世界の現実に毒されていると思いました。
当たり前のそのままの、人の暮らしが書かれた絵本です。
「絵本ていいなあ」と改めて思いました。
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コメント
純子先生
ご本の紹介ありがとうございます。何かドラマチックな展開を期待してしまうところがありますよね。
ただ、この頃あまりTVのニュースやワイドショーを見ないで過ごしていたら(新聞で事足りる)、大多数の方は、大きな事件などに遭遇することなく普通の暮らしを安寧に過ごしているという事実に気付いてきました。事件や事故は珍しいからニュースになるんだということを改めて実感したような次第です。
道行くほとんどの人は善人で、ほとんどの人はまっとうな商売をしており、ほとんどの人は「ありがとう」とお金を払っている。そんな当たり前のことに今さらながら気付き、うれしく思っている私を発見しました。
「にぐるまひいて」のお話を伺ってそんなことを思いました。
投稿: 谷口 美恵 | 2012年1月11日 (水) 10:07
ハッとしました
、本当にそうですよね~
、当たり前の、その儘の人々の日々の暮らし、純粋で真っ直ぐで素直な素晴らしい世界!
、この様な世界が人類の上に来れば善いですね~
。
投稿: 尾窪勝磨 | 2012年1月11日 (水) 12:49
合掌有り難うございます。
今年も楽しく読ませていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いしますm(__)m
『にぐるまひいて』は、妹が持っていましたので、以前何度か読ませてもらったことがありました。
とても心がほっこり温まるお話だったのですね。絵は可愛らしく印象に残っていましたが、ストーリーはあまり覚えていませんでした。純子先生が紹介して下さったからか、素敵なお話!と感じることができました。
なぜ作者はそんな何でもない日常を描こうと思ったんだろう‥と思います。その辺も含めてもう一度この絵本を読み味わってみたいとです。
投稿: 前川 淳子 | 2012年1月15日 (日) 06:48
谷口さん
本当にそうですね。
ワイドショーなんかも、見ない方がいいですよね。
多分大げさに伝えていて、時間の無駄になります。
人生は余計なことをするには、短かすぎるといったのは、誰だったでしょうか。
そんな言葉を思い出しました。
投稿: 谷口 純子 | 2012年1月17日 (火) 21:24
前川さん
この絵本は、随分読まれているようですね。私は初めて知りました。
何気ない、当たり前のことが、本当はとっても素敵な素晴らしいことだということを。そしてそれは簡単なようで、実際はむずかしいということも、伝えたかったのでしょうか。
投稿: 谷口 純子 | 2012年1月17日 (火) 21:29
合掌有り難うございます。
今日久々に「にぐるまひいて」を手に取り、読み味わっておりました。この絵本、てっきり妹のものとばかり思い込んでいましたら、違っていました。教員をしていたころに、子どもたちに読み聞かせしようと思って自分で購入したものだったことを思い出しました。(笑)
絵本の最後に、作者のドナルド・ホール氏が次のように語っていたと記してありました。「そもそも、この話は、近所にすんでいたいとこから聞いたものです―そしてそのいとこは、幼いころ、ある老人から聞き、またその老人は、子どものころに、大変なお年寄りから聞いたのだそうです。語り継がれたこの伝統のすばらしさ!」
一体、いつの時代のお話なのだろう?と思いますが、実際にあのような自給自足の暮らしがなされていて、またそれが代々語り継がれていたということに改めて驚きました。
いまだからこそ自然になじみ自然とともに生きる暮らしぶりがいっそう素敵なものに思えます。そんなふうに感じる人々が増えていくと嬉しく思います。
投稿: 前川 淳子 | 2013年5月 3日 (金) 23:30
前川さん
そうですね。
実際、そういう人も増えてきているように思います。私が注目しているからかもしれませんが。
最近読んだ「食べることも、愛することも、耕すことから始まる」クリスティン・キンボール著(河出書房新社刊)、興味深い内容でした。
この本の翻訳者が「エンデの遺言 根源からお金を問うこと」を勧めていました。
以前前川さんが言っておられた本かなと思いました。
投稿: 谷口 純子 | 2013年5月 7日 (火) 22:35
合掌有り難うございます。
「食べることも、‥」‥本の題名を拝見してすぐさま読みたくなりました。以前、純子先生がブログの中でご紹介下さった「ぼくはお金を使わずに生きることにした」の本もすでに購入し、手元に置いています。
「エンデの‥」の本、そうです、その本でございます!実はお恥ずかしながら、随分前に読み始めましたのに、未だ最後の章を残して読み切っておりません。少し内容が専門的で、すらすらと頭の中に入ってこないもので
。ですが、これからの経済の在り方について、すでに実験済みの具体策を提案して論じていてとてもいい!と希望が持てました。政権に携わっている人たちには特に読んでもらいたい本だと思いました。
経済至上主義の価値観を大転換する時期にきていることをひしひしと感じます。そのために参考になりそうな本はこれからもどんどん読み、希望ある未来を思い描いていきたいと思います。
投稿: 前川 淳子 | 2013年5月12日 (日) 23:07