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2012年8月14日 (火)

サヨばあちゃんの無人駅

P8130023   一週間くらい前のこと。
 遅い昼食をNHKのBS放送をつけて一人で食べていたら、ドキュメンタリーの秀作を放送する特別番組が始まりました。
 何本か続けて放送されるようでしたが、その一番目は「サヨばあちゃんの無人駅」というのでした。
 過疎化の村のお年寄りの暮らしが始まるのかと何気なく見ていましたが、すぐに画面に引き込まれてしまいました。
 舞台は静岡県の川根茶の生産でかつてはにぎわいましたが、今ではお茶の生産の減少で過疎化が進み、限界集落になっている、抜里(ぬくり)という集落です。
 大井川鉄道の抜里駅は無人駅で、その駅舎を利用して女性たちが4日に一回お惣菜を作っています。
 コンビニもスーパーもレストランもなく、食料品から日用品まで何でも置いている雑貨屋さんが一軒あるだけの地区です。
 そこは200世帯の中、一割の20世帯がお年寄りの一人暮らしで、足が不自由だったり車がなければ、買い物もままなりません。
P8130005  4日に一度作られるお惣菜は200円、お寿司などは250円で格安です。
 「麦の会」といって、もう15年も続いています。
 集落のお年寄りがそれぞれ得意な煮物やあえ物、揚げ物などを作りますが、自給は100円です。
 その中心者がサヨばあちゃん。
 サヨさんは現在75歳だそうですが10歳くらい若く見え、ばあちゃんというのは失礼だと思うほどです。
 駅に買いに来る人もいますが、駅まで買いに来られない人のために、サヨさんはお惣菜を持って車で一人暮らしの人の家を回ります。
 「〇〇ちゃん・・・」と小学生が友達の家に遊びに来た時のように声をかけて、「おかず屋です。こんにちわ、元気!」
 とても明るくて屈託なく、一人一人を活気づけます。
 中には一度も顔を合わせた事のない人もいますが、訪ねると手紙やお金が置いてあり、惣菜が受け入れられていることが分かります。
 過疎化の集落の一人暮らしでも、こんな人と人とのつながりがあれば、なんと心強いことかと思いました。
 サヨさんの生き方は、人が生きるとはどういうことなのかを分かりやすく、直接示していて、感動します。
 サヨさん自身は、60歳で夫を亡くし、その後本人も生死にかかわる大病を患いました。
 病気が治って、長年心で温めていた「麦の会」を始めました。
 このドキュメンタリーは、SBS静岡放送の制作で、数年かけて抜里での様子を追っています。
 インタビューに答えてサヨさんは「私愚痴はほとんど言わないね。今生きているだけで本当に幸せだと思うから」
 子供の頃一家で満州に開拓団として移住しました。
 終戦時は、過酷な脱出行を経験します。
 今日食べ物がなければ死ぬという経験を何度もし、毎日10人、20人と人が死んでいくのを見てきました。
 それらの経験が、現在のサヨさんの活動につながっているのだと思いました。
P8130015  サヨさん自身も一人暮らしで、大学教授とコンピューター・エンジニアの二人の息子は、それぞれ四国と首都圏で家庭を持っています。
 息子家族のたまの帰省には目を細めますが、息子たちを見送る姿には、あまり寂しさはありませんでした。
 生き生きと暮らし、自分を必要としている人々との確かな日常があるからでしょう。
 このドキュメンタリーは、第7回日本放送文化大賞を受賞し、2009年度文部科学大臣賞も受賞しています。
 「サヨばあちゃん」が、とても強く私の心をとらえていたので、パノラマ市場に行ったとき、パノ市カフェのあばあちゃんの姿に親しみを感じました。

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コメント

こんばんはhappy01night

素敵な、お花の写真ありがとうございます。uptulip

一輪挿しも、とっても素敵ですね〜。heart01happy01

budbudbud

「サヨばあちゃんの無人駅」
ご紹介、ありがとうございますhappy01

心暖まる感動を覚えました。shine

昨今は、文明の利器の利便性に加え、コンビニ、スーパー、ネットスーパーなどなど、便利に、買い物ができる時代になりました。happy01
それにともない、人と人とのコミュニケーションが少なくなったようなきがいたします。coldsweats01

そんななかで、一人暮らしのかたを訪ねたりしながらの、商いをされているサヨばあちゃんの生き方…happy01
感動いたしました。heart04

「愚痴は、ほとんどいわないね。
今、生きているだけで、本当に幸せだと思うから…」
この言葉は、70年の人生を、一所懸命生きてきた、サヨばあちゃんの「生きるコツ」が凝縮されているような気がしました。happy01

「愚痴は、言わない。
生きているだけで、幸せなんだ」

ぜひ、見習いたいと思います。(^^)v

残暑厳しきおりから、おからだ、お大切になさいますよう、お祈り申し上げます。m(__)m

投稿: 原 恵美子 | 2012年8月15日 (水) 21:56

 合掌 ありがとうございます。

  「サヨばあちゃんの無人駅」のご紹介ありがとうございます。
  だいぶん前にテレビで見ました。
  とても感動して見させていただきましたが、時の流れと共に記憶が薄れていました。
  詳しいご紹介により、色々なことを思い出しました。
  特に、サヨおばあちゃんの行き届いたお世話、また愛の深さに感動でした。
  おかずを届けても姿を見せない方に、お声を掛け、手紙を書き…そのようなことを何度も何度も繰り返します。
  そのうちに少しずつ心を開いて行くようになります。
  サヨおばあちゃんのお世話の仕方、愛の深さに強く感動したものでした。

  私の伝道も、このようにありたいと思いました。
  まだまだ行き届いていませんので、少しずつでも前に進むよう努めて参ります。


  お盆で田舎に帰省中ですが、今年も「山帰来餅」をいただくことが出来ました。
  純子先生、「いばら饅頭」を召し上がれる機会があればよございますね。

 「サヨばあちゃんの無人駅」のご紹介、本当にありがとうございました。m(_ _)m

         安東孝子拝

投稿: 安東孝子 | 2012年8月15日 (水) 22:36

原さん

 そうですね。簡単そうで実際に行動に移すことは容易ではないと思いました。

投稿: 谷口 純子 | 2012年8月17日 (金) 22:54

 安東さん

 何度も放映されているようで、大きな反響があったようです。
 私は全く知りませんでした。
 偶然見ることができて、幸運でした。
 山帰来の葉、先日もどこの教区だったか忘れましたが、おまんじゅうに使うという話をお聞きしました。
 帰省されてよかったですね。

投稿: 谷口 純子 | 2012年8月17日 (金) 22:57

なぜか、涙が出ました。

「サヨばあちゃんの無人駅」テレビ見ていないのに、何も知らないのに、インターネットで検索してみたくなり、検索してみました。

ありがとうございます。
先生の紹介にすごく、心動かされました。

生命の実相などで、又、誌友会などで勉強させてもらっているにも、かかわらず、最近マイナス思考になっておりました。

私は、現在ひとり暮らしです。

娘達も、結婚し幸せな家庭を、築きそれは、大変幸せな、有難い事です。

しかし、私自身なぜ、何の為に生きているんだろう?子供達に迷惑かけないようにするには?・・・などと、歳とったせいなのか、ダメだ、とおもいつつも、そんな日々を、送っております。

人のお役にたつ、求められる人、必要とされる人だったら、そういう寂しさは感じないんでしょうねo(*^▽^*)o

私も、そうありたい・・・と改めて思いましたhappy01


投稿: 村松 みゆき | 2012年8月20日 (月) 17:31

 村松さん

 ひとり暮らしの寂しさというものがあると、お察しいたします。
 私は「サヨばあちゃんの無人駅」を見て、「自分のできることで人を喜ばす」それが幸せな人生の秘訣だと感動しました。

投稿: 谷口 純子 | 2012年8月20日 (月) 22:51

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