ここ一か月くらい、右手の中指の付け根のあたりが、力を入れると少し痛むことがありました。
寒さのせいで、血の巡りが悪くなっているのかもしれないくらいに思っていました。
木曜日は、午前中雪かきをしました。と言ってもそんなに長くしたわけではありません。
体に負担がかからない程度の雪掻きでした。
その日は普通に家事をして、夜お風呂で髪を洗っていた時のことです。
湯船からお湯を取ろうと右手で湯取り桶にお湯を入れて持ち上げたとき、右手の中指の筋にビリリーと痛みが走りました。
「あっ、とうとう来たか?」と思いました。
ずっと何か違和感があったからです。
それ以来、右手で重いものが持てなくなりました。
ヤカンも薪も持つと傷むので、持てません。
困ったことになったと思いました。
右手の中指について、それまで考えたことがありませんでしたが、中指は手の指の要で何をするにも他の指と連動して動きます。
中指が使えないと、とても不自由で、食事のナイフも使えません。
その状況で、私は少し悲観的になりました。
右手が使えなくなれば、好きなお料理も思うようにできないと思い、もう今までのように何でもできなくなるかもしれないと思いました。
普段何事も自由にしている身には、大変な悲劇に思われ、重大な病気かもしれないとちらと頭をよぎります。
ものが持てないというのは、それほど深刻でした。
日時計主義もこの時にはどこかへ行っていました。
翌朝夫も心配して、「どこか整形外科へ行ってみたら」と言いました。
新しい土地で、お医者さんも全く知らなかったので、地元の知人にメールで整形外科を聞きました。
すると北杜市立の甲陽病院が良いとのことでした。
大泉から長坂に行く途中にあり、その前はよく通ったことがありました。
オフィスに出かける夫が、病院まで車に乗せてくれました。
大雪の後ということもあり、整形外科の診療室の前は沢山の人が待っていました。
一時間半くらい待ってようやく私の番が来ました。
40半ばから50歳くらいの男性が先生でした。
右手の状況を話すと、私の手を見て、「豆ができていますね。何か負担がかかるようなことをしましたか?」と聞かれました。
前日雪掻きをしたけれど、痛みはもっと前からあったので、特に思い当たることがないと話しました。
「定期検診は受けていますか?」と聞かれました。
「はい」と答えると「じゃあ、リュウマチの心配はないですね」と言われました。
「多分、腱鞘炎ですね。手の中指は腱鞘炎になりやすいんです。まあレントゲンを撮ってみましょう」
それから別の部屋でレントゲン撮影をしました。
また40分くらい待って、再び診察室に呼ばれました。
手の骨の写真が机の上のパネルに映し出されていて、「骨は何も問題ないですね。腱鞘炎ですから、指のストレッチをしてください。ただ指を動かすのではなく、左手で右手の指をそらせるようなストレッチです。家事は普通にして結構です。」
薬は、ストレッチをする時に、皮膚をスムーズにするクリームだけでした。
右手中指の痛みの原因がわかって、ほっと胸を撫で降ろしました。
何か問題があった時には、素人考えでいろいろ心配せず、専門家に見てもらうのがいいと本当に思いました。
無駄な心配で時間を費やすのはもったいないことです。
私は、自分のことでお医者さんにかかるのは、7・8年ぶりでした。
普段健康に過ごしているので、何か異変があると、重大事のように思ってしまいました。
まだまだ修業が足りないと思いました。
それにしても現金なもので、診察が終わってただの腱鞘炎だとわかったら、痛みもすっと消えていったように思いました。
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