土曜日朝、自宅周辺の外気温は7度前後で、寒い日でした。
旭川も予想最高気温は15度とのことでしたから、迷わずコートを持って出かけました。
10時前に着いた東京も20度くらいで、6月初めにしては涼しいと思いました。
午後1時半ごろ旭川空港に到着しましたが、気温は12度
まだ寒い北海道でした。
米どころ旭川は、ほとんどの田んぼで田植えが終わり、どの家の庭にも目の覚めるような鮮やかな色のつつじやジャーマンアイリス、ルピナスなどの花が咲いていました。
とりわけ黄色のつつじは、山吹の黄色を明るくしたような色で、本州では見かけない色でした。

今回旭川には飛行機の便の都合で、早く着きました。
今までは3時か4時ころでしたが、2時にはホテルに着きました。
時間に少し余裕があったので、夫に頼んであるパン屋さんに行きました。

5,6年前のことになりますが、書店で旭川の森の中で地元の人と交流しながら、自然と共に暮らす日常が生き生きと描かれていて、読んで楽しくなる本をみつけました。

東京で、自然エネルギーを使って持続可能な暮らしを目指していた著者は、彼女にとって男の親友であるパートナー氏がパン職人の修業をしたのをきっかけに、東京から
彼の故郷である旭川に行って、パン屋さんを始めました。
北海道産小麦を使って、天然酵母で丁寧に作られたドイツパンは、売り切れ御免で、遅くとも夕方4時にお店は閉店です。

いつか機会があれば行ってみたいと思っていました。
お店はホテルから車で、5分から10分くらいの住宅街の一角にありました。
知らなければ見過ごしてしまいそうな、小さな可愛いお店でした。
前庭には、ハーブや季節の宿根草が白やブルーの花をつけて、さりげない佇まいです。
少し緊張してドアを開けると、左側のカウンターに立っていた女性が「いらっしゃいませ」と声をかけてくれました。
「あれ?」イメージと違った女性でしたが、本が出版されたのは10年くらい前だから、変わったのかもしれないと思いました。
2時半ごろでしたが、パンはまだ沢山の種類が並んでいました。
スーツを着て、いかにも旅行者然としている私達ですから、話さなくてはいけないと思い、「本を読んできました」と言いました。
女性はにこりともしないで「その人はもういません」
「あっ、そうなんですか。変わったんですか?」
「職人は同じですが、彼女は退職しました」 「退職」という言葉が、強調されていました。
久しぶりに尋ねたら、お店がなくなっていたとか経営者が変わっていたという話を聞くことがありますが、私は肩透かしを食ったような、がっかりした気持ちになりました。
色々あったのかもしれないと勝手に想像し、諸行無常という言葉が浮かんできました。
気を取り直して、沢山並んでいるパンの中から、夫の好みを聞いて「猫のしっぽ」という細長い堅いパンと、ゴマの入った丸い黒いパンを買ってお店を出ました。

住宅地なので、どの家の庭もお花がとりどりに植えられていて、芍薬は沢山の花をつけて華やかでした。
旭川の人は、庭仕事が好きなのだと思いました。
きれいな庭を眺めながら、夫と「猫のしっぽ」をかじりました。
「このパンは、しっかりしていて、ちょっとないおいしいさだね」職人の腕は確かでした。
人生は色々で、確かなものはないのだと、改めて学びました。
街の中心に戻ると、一年に一回の北海道の高校生の楽団のパレードが行われていて、全道から4000人くらいの高校が集まっているとのことで、にぎやかでした。

気温は15度くらいになっていましたが、それでも寒い中、沿道は人で埋め尽くされ、演奏する高校生は半袖のTシャツでした。
講習会の控室には、サンダーソニアと緑の葉、みやこ忘れの取り合わせが素敵な花を飾っていただきました。
旭川教区の皆さま、お世話になりました。
ありがとうございました。
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