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2016年6月18日 (土)

「愛国と信仰の構造」を読んで②

Img_7220  「愛国と信仰の構造」は、島薗さんと中島さんの多角的な知の応酬という形で、構成されています。
  中島さんは、政治学者ですが、「愛国と信仰」というのは、生涯をかけて取り組むテーマだと思っているそうです。  
  この本が書かれた理由は、現在の日本の社会状況が、戦前の戦争へ突き進んでいった時代と相似していて、その理由の大きな要素として、「戦前の日本が抱えたナショナリズムと宗教の問題が、いまだに片付いていないという認識」から、そこを明らかにしようというわけです。  
 冷戦が終結して、25年が経っています。
 冷戦の終結により、世界に平和が訪れるかと多くの人が思いましたが、それは幻想でした。
 冷戦後の世界は、急速な国際化と、民族紛争、地球温暖化と資源獲得競争が激しさを増し、世界中に右傾化の動きと、生活の不安定さの暗雲が漂っているようです。
 そんな中で、日本も例外ではなく、右傾化と社会の格差、若者の将来に対する不安があります。
 国際化が、経済発展を重要視する政府の行動に結びつき、大企業優遇は社会の格差を生み出し、特に若者の心に不安と不平等感を与えています。
 国民的な連帯が弱まり、個人がバラバラになっていくと、何らかの求心力を求めるようになり、それがナショナリズムに結びつく傾向を生み出すということです。
 1997年に設立された日本会議は、「美しい伝統の国柄を明日の日本へ」を目標の第1に掲げ、皇室を中心とした社会を理想としているそうです。
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 第1次安倍政権が「美しい日本」という言葉を使って、何を目指しているのかよく分からなかったのですが、この目標であったことがわかります。
 日本では、国家と宗教という問題を問う姿勢は希薄です。
 それは、戦前の全体主義を支えた国家神道を捨て去り、政教分離の民主的な国家に生まれ変わったのが戦後の日本であると、一般的に理解されているからです。
 ところが、戦前の国家神道は今も脈々と生きているというのが、お二人の考えです。
 嘗て、森喜朗首相が、「神の国」発言で、物議をかもしたことがありましたが、自民党を支える勢力が、日本会議や神道政治連盟などですから、本音が出てしまっただけで、不思議な発言ではないのでしょう。
 神道政治連盟国会議員懇談会の会長は、安倍首相ということです。
 自民党と国家神道の関係が、大変深いことが分かります。
 以上書いたことは、本から得た情報と、それに基づき私が思ったことです。
 

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