ハスカップを植えました。
今から50年近く前、私は航空会社の客室乗務員をしていました。
国際線の乗務でしたが、私の会社では1年に1回輪番で国内線の乗務がありました。
期間は1か月か2か月、どちらか記憶が定かではありません。
当時日本には航空会社が3社あり、国際線を運航しているのは日本航空だけでした。
全日空と東亜国内航空が国内線を担当していました。
そのため日本航空は、国内線といっても、東京から札幌、大坂、福岡、それに本土復帰後の沖縄だけでした。
その国内線の乗務で札幌に行ったときのことです。
札幌千歳空港は、今ではとても想像できないほど小さな空港で、自衛隊の千歳基地に間借りしているような感じでした。
千歳は札幌と苫小牧の中間地点にありますが、どちらかといえば苫小牧に近い位置です。
そのため札幌泊まりといえば、ホテルは苫小牧でした。
乗務が終わると会社が配車したタクシーで、苫小牧のホテルに向かうのですが、ある時タクシーの運転手さんが、ハスカップの話をしてくれました。
千歳から苫小牧まではまっすぐな道路の両脇は森が続き、あまり交通量も多くありませんでした。
その森の中には、ハスカップという木の実があり、アイヌの人たちが好んだもので、そのジャムはお菓子などに使われると話してくれました。
まだブルーベリーなどが市場にはなかった時代、苫小牧の森の中で採れる珍しいハスカップという木の実は神秘的で、私の好奇心を刺激するものでした。
その後ハスカップのジャムを使ったロールケーキがあることを知り、札幌に行ったときには時々求めていました。
つい最近のことですが、小淵沢の道の駅で植物を物色していた時、ハスカップの苗を見つけました。
どうしてこんなところにと思いましたが、ブルーベリー似た色で円錐形の実が付いていました。
北海道とよく似た気候だから、多分育つのだろうと思い、700円くらいでしたが買って、家の菜園に植えました。
後で調べてみると、不老長寿の実として今ハスカップは人気なのだそうです。
カルシウム、鉄、ビタミンC,ビタミンE、ポリフェノールなどが他の食べ物、果物とは比べられないほど多く含んでいるそうです。
苫小牧周辺にかつてあった自生種はほとんどなく、今では広く栽培されているとのことでした。
いつの日にか不老長寿の実で、ジャムが作れる日が来ることを夢見ています。
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