先生の太鼓判
今年の5月末、森の中のオフィスでは職員対象の健康診断が行われました。
健診結果が届いたのは、約2週間後の6月半ばでした。
例年、特に大きな問題もなく過ごしてきましたが、年齢も重ねてきたので、結果を見るのは少しスリルを感じます。
大きな封筒にはさみを入れ、中を開けると目に飛び込んできたのは、”E”判定でした。
もっとも悪い結果です。
「血液検査の結果が異常です。精密検査を受けてください」と書かれてありました。
得体のしれない病巣が、体の中に潜んでいるのかとの疑いが心の中に一気に広がり、ドキドキしました。
血液検査の欄を見ると、ヘマトクリットの数値がE判定に属するとのことでした。
昨年、1昨年と比べるとそれほど数値に大きな開きはないように思えますが、過去2年はB判定なので、少しの違いでEになるのだと分かりました。
クレアチニンの数値が高いとどういうリスクがあるのか、ネットで調べました。すると多血症の疑いか脱水症とありました。
多血症というのは、いわゆる血液ドロドロで、脳梗塞などの危険があります。
私は食事にはそれなりに気を使い、血圧も正常で他の数値に問題はありません。
そこで思い至ったことは、脱水症です。
健診の前日は午後六時に夕食をいただき、そのあとはほとんど水分をとっていませんでした。
夜枕元には、小さな水筒に白湯を入れたものを置いていますが、夜中に起きるのを避けたいとの思いから、のどを潤す程度であまり飲みません。
健診の日の朝も、ほとんど水分をとらずに9時からの健診を受けました。
そのせいで、脱水に近い状態だったのではないかと自分では判断しました。
結果の出た日の翌日は、近所の診療所がお休みだったので、2日後に行きました。
この診療所は数年前に開所した所で、院長は都内の大きな病院の院長経験者の女性です。
副院長は、院長の夫で東大名誉教授の病理学者です。
院長も東大医学部卒の経験豊富な人なので、私は予防注射に行くくらいですが、安心できる人柄でもあり信頼していました。
その日は木曜日で10時からの診察でしたが、私は3番目で比較的早くに見ていただきました。
健康診断で悪い結果が出たのでとお話しして、結果の用紙をお見せすると、
「どうしてこの数値がEなのでしょう。何の問題もありません。これは私の専門分野です。」といわれました。
私はほとんど水分をとっていなかったので、このような数字になったのかもしれませんとお話しすると、その通りですといわれました。
大丈夫だろうとは思いつつも、2日間の不安は先生の太鼓判で、雲散霧消しました。
年齢を重ねると鈍感になって、脱水症になる危険があるということを思い出し、それなりに水分をとることは大切なのだと思いました。
自分では気を付けているつもりでも、素人判断せず、こまめに水分を補給し、配慮を怠らず過ごすことの大切さを学んだ出来事でした。
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