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2022年8月

2022年8月 7日 (日)

カラスの子

 ここ半月位、我が家の周辺ではカラスが来てよく鳴きます。
 多分どこかの木に巣を作って、子育てをしているのではないかと思います。
 東京の原宿に住んでいた頃も、庭の大きな松の木にカラスが毎年巣を作りました。
 子どもたちが学校に行くときには、その木の下を通らなくてはいけません。
 まだ小学校の低学年だった娘は、頭の上にカラスが来てつつかれたか何かして、泣いて戻ってきたことがありました。
 以来カラスの子育ての時期には、晴れていても傘をさして木の下を通るようになりました。
Img_8718  カラスは黒いので、それが何羽も来ると少し不気味な感じがします。
 ヒチコックの映画、「バード」を連想してしまいます。
 家の周りではカラスがカアカア鳴いている下に鹿がいたりして、ちょっとしたワイルドライフの感があります。
 数日前の朝のこと、私がカーテンを開けて外を見ると、カラスが何羽かいて人の気配に「カアカア」と鳴き始めました。
 その時私の口から出てきたのは、「カラス何故鳴くの・・・」という童謡でした。
 「カラスは山に、可愛い7つの子があるからよ、可愛い可愛いとカラスは鳴くの・・・」と歌詞は続きます。
 私はこの歌を口づさみながら、カラスに対してこんなにやさしい目を向けて歌を作った人がいたのだと気付きました。
 Img_8724   この歌は野口雨情の作詞で本居長世が作曲しています。
 カラスは1度に7つも子供(卵)を産まないので、7つの子というのが謎だったそうですが、野口雨情がこの詩を書いたとき、雨情の息子が7才であり、また雨情は7歳の時母親を亡くしているので、息子への親の思いと母を恋しく思う子供の思いが重なっているのではないかと言われています。
 このような背景事情を知ると、カラスに対する暖かい眼差しの理由がよく分かる気がします。
 幼い子供だけでなく大人も童謡の世界に浸ると、人間だけではなく広く生き物全体への一体感、難しい言葉でいえば、対称性が養われると思いました。、
 もう一つ私が思い出したのは、「カラスの赤ちゃん何故鳴くの・・・」という歌です。
 「あかいお帽子欲しいよ、あかいお靴もほしいよと かあかあ なくのね」という歌詞です。
 黒いカラスが、あかい帽子や靴をほしいと思うのは、人間の勝手な思い込みで、カラス自身は自分が黒いことを何とも思っていないのではないかとそんなことを思いました。
 ドリフターズの志村けんが、「カラス何故泣くの?カラスの勝手でしょ」といったのは、彼のギャグ中のなかなかの傑作だと改めて思った次第です。

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