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2023年8月

2023年8月27日 (日)

日帰り温泉の裏話

  8月初旬のある日夫は「今度、原村の樅の木荘に泊まってみない?」と言いました。
 原村の「樅の木荘」というのは、村が運営する公共の宿で、「樅の湯」という日帰り入浴もできる施設です。
 夫は時々、思いがけない提案をしてくることがあります。自宅から40分くらいの樅の木荘はキノコ採集に行ったとき、そこの食堂で1~2回昼食を頂いたことがありました。
 そんな近いところにわざわざ泊まらなくてもと思いましたが、面白い経験になるかもしれないと気を取り直し同意しました。
 夫は早速ネットで予約を取ろうとしましたが、私たちのお休みの日は満室で空きはありませんでした。
 原村には他にペンションも沢山あります。けれどもどのペンションが良いのか皆目見当がつかないので、適当に当たってみると、すぐに部屋が取れました。
 子供が小さい時は何度かペンションに泊まりましたが、ここ2~30年は全く泊まったことがありません。
 当日は午後4時頃を目指して、ペンションに行きました。
 予約したペンションは外観は綺麗で、庭は芝生がきれいに刈ってあり季節の花が美しく植えられていました。
 ところが狭い玄関を開けて、「こんにちわ」と言っても返事がなく、靴が無造作に脱いでありました。
 私たちは中に入って、もう一度大きな声で呼びかけました。
 するとキッチンらしきところから、かなり年配の男性が「ああいらっしゃい」と出てきました。
 「今日予約した谷口です」というと、「ああ谷口さん、よくいらっしゃいました。部屋は2階です」と案内され鍵を渡されました。
Dsc_1997  「夕食は六時です。お風呂はありますが、近くに樅の湯もあります」と言われました。
 2階への階段は隅に埃がたまっていて、いつ掃除したのかと思う状態でした。
 部屋の中はそれなりに掃除はしてありましたが、洗面所は流しが並んでいて、トイレも共同で隅にはやはり埃があり、正直な気持ち私は家に帰りたいと思いました。
 夫は「練成会みたいで楽しいじゃない」と小学校から高校まで参加した生長の家の練成会を思い出したようで、あまり気にならないようでした。そう言われてみれば合宿所のようです。
 そんな状況で、ペンションのお風呂に入る気にはなれず、「樅の湯」に行きました。
 樅の木荘の前には県外車が沢山並んでいて、人気があることが分かりました。
Dsc_2002  夏休みということもありお風呂は賑わっていて、広い浴槽がいくつかあり露天風呂もありました。
 私はこのような公共の湯に入るのは初めてでしたが、旅館の温泉に入るのと同じようなゆったりした開放感が味わえるのを体験しました。それは夫も同じだったようで、「これからは時々このような温泉巡りも良いね」と、お互いに同意しました。怪我の功名と言えるかもしれません。
 また、ペンションは私たち以外にもう一組私たちと同年輩の夫婦連れがあり、奥さんはとても明るくて気さくに話ができる人だったので、楽しく会話が弾みました。
 ペンションのオーナーも話してみると面白い人で、88歳で1人でペンションを運営していました。
 料理も独学で勉強したといい、自慢のようでした。
 ただ年をとったので10人以上は予約を取らず、部屋の半分近くは空いていると言っていました。
 私たちが泊まった日は、2家族8人の予約が入っていたそうですが、その中の子供の1人が風邪をひきキャンセルになったので、すぐに私たちの予約が取れたとのことでした。
 最初は戸惑いましたが、それなりに面白い体験ができて見聞が広がり、終わり良ければ総て良しと思えるペンション宿泊体験でした。

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